こちらのアイテムは2024/5/19(日)開催・文学フリマ東京38にて入手できます。
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ACROPOLIS

  • 第二展示場 Eホール | お-23 (小説|ファンタジー・幻想文学)
  • あくろぽりす
  • Kathy
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 44ページ
  • 800円
  • https://mypage.syosetu.com/26…
  • 2024/5/19(日)発行
  •  その世界は、海と空によって構成されている。

     遠い昔、発達した文明を持った人間は、数々の蛮行の結果に全てを失った。

     原子の矢が地上に降り注ぎ、津波が何もかもを飲み込んでいく、人々が暮らした形跡も、そして人までも、完全なる海の底に沈んでいった。

     文明の崩壊の後、生き残ったわずかな人類は、新しい住処を開拓し、文明を築き始めた。海上を埋立て、新たな街を造り、生活が営まれる。それは崩壊以前と何も変わらないように見えるものの、原子の火に魅入られた人間は、再び同じ過ちを繰り返そうとしていた。

    主人公ハラル・イスマは初等教育プログラムに所属し、満潮と干潮で水没を繰り返す辺境の居住区に暮らす平凡な少年。

      いつからか、毎夜「月光に照らされ、海中をたゆたう」という不思議な悪夢を見るようになった彼は、世間で「月狂病」と呼ばれ、政府主導で隔離政策も進められているという噂の病と同じ症状に怯える内、眠ることが出来なくなってしまっていた。

     満潮の夜、水没する居住区に外出禁止令の放送が響き、各区画の施錠が行われる。住人は外に一歩も出ることを許されないが、ハラルは眠れない退屈さを毎夜の無断外出でしのいでいた。

     海抜一万メートルを越える国土の下、海中深くには、かつて大洪水に飲み込まれた都市がそのままの形で眠っている。人類の始祖たるセレニテス達は、未踏の聖地と呼びながらも、眠り続ける優れた文明の恩恵を狙わんとする外国の侵攻や、老朽化した衛星の海中落下による破壊を防ぐ為、海上に海軍の基地を配置し、その防衛・監視任務にあたらせていた。しかし、日の光も及ばない深海の地に人の手が届くはずもなく、セレニテスは、自らの虎の子であったブラフマンを表舞台に引出し、任務に従事させることを決断する。

      海軍中尉ミリアム・サイクスはそのブラフマンの一人。海洋調査中に墜落してきた戦闘機の爆発に巻き込まれ、部下を失い、自らも負傷し、長らく戦線離脱を余儀なくされていた。事故当時の状況判断に誤りがある、と咎められた事に端を発した彼女の発言は、査問を行った軍幹部の怒りを買い、期間未定の謹慎処分を言い渡される。


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