手を繋いだことも指先が触れたこともない。抱き合うなんてもってのほかだし、キスなんてあるわけがない。それ以上も。頭の中では自分のつくりだした男の人格で犯しているが、私の女の部分に若葉の男の部分で触られたいとはまったく思えなかった。――
有紀は、幼馴染の若葉に対して、自分の中の男の人格で彼を抱くというよからぬ妄想をしている。
仕事の関係で知り合った柿原という男性と知り合ったことで、
「この人と結ばれることができれば若葉を自由にすることができるのでは」と考えるようになる。
普通の恋愛と、自分の中のヘンアイを天秤にかけたとき、
有紀が選んだ結末は一体――。
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