こちらのアイテムは2024/5/19(日)開催・文学フリマ東京38にて入手できます。
くわしくは文学フリマ東京38公式Webサイトをご覧ください。

転がるルーチン

  • 第二展示場 Fホール | し-60 (詩歌|俳句・短歌・川柳)
  • ころがるるーちん
  • 文入朱里
  • 書籍|B6
  • 64ページ
  • 500円
  • 2024/5/19(日)発行
  • 東京の一人暮らしを詠んだ短歌集。122首です。

    ▼歌集より


    朗らかなそよ風肌を撫で何も見えないけれど風の方みる

    「おはよう」を言わなくなった生活の代わりに排水溝を触れる

    取り出して落ちて拾ってこぼれてく洗濯かごを使わない意地

    前をゆく歩きタバコを走り抜くささっとしかし大袈裟にゆく

    この家のだれかが麦茶をつくったりこたつを出して片付けている

    お互いに世話をし合っているつもり 聞いてるわたし 料理する母

    だんだんと使う言葉が似てきても合わせてるだけ別の人間

    「私はあなたのsomebody elseじゃない」と笑った横断歩道

    そよぐ風空のパレットで白をとく自由自在に雲を動かす

    道端で歌って踊りはじめれば知らない人のふりをするきみ

    吊り革につかまる右手窓越しに目が合いぎゅっと握る左手

    マグカップ 歯ブラシ タオル 箸 まくら きみがきてから買ったものたち

    適正な判断なんてきっとない 少しの恣意と、なんとなく風

    ありたけのスプリンクラーを全開に大きいプールで遊びたい夏

    クーラーのきいた部屋から仰ぐ空カラッと澄んだ青は偽物


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