こちらのアイテムは2023/11/11(土)開催・文学フリマ東京37にて入手できます。
くわしくは文学フリマ東京37公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

The Show Carries On!

  • 第二展示場 Eホール | お-49 (小説|ファンタジー・幻想文学)
  • ざ・しょう・きゃりーずおん!
  • サンレイン
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 100ページ
  • 500円
  • 2023/11/11(土)発行
  • 「そのギター、大事なんだろ?」


      「あちゃあ……、まさか降るとは思わなかったなぁ」

     音楽好きな古文の教師を説き伏せて作った軽音部。とはいえ、部員は朝陽 影三ひとりなので、正確には部ではない。教師が気を利かせて「放課後の教室使用許可」を取っておいてくれたのだ。

     視聴覚室の暗幕を閉めて、好きなバンドの曲やリズムマシンに合わせてギターを演奏するのが影三の「部活動」、今日も夢中でギターを弾いていたから、雨に気付いていなかった。  影三は空を見上げる。昼までは抜けるような青空が広がっていたというのに、今はどんよりと雲が垂れ込めて、静かな雨がしとしとと降り続いている。こうなったら、ギターだけでも濡らさないよう、制服を被せて駅までダッシュするか――、昇降口でひとり決意を込めた影三の背後から、すっと傘が差し掛けられた。  驚いて振り向くと、そこには影三より頭半分ほど背の低い男子生徒が立っていた。自校とは違う制服、右頬に三つ並んだほくろが印象的な顔立ちだった。 「そのギター、大事なんだろ?」  そう言うと彼は、影三に自分の傘をぐいと押し付けて、校門へ向かって走り去っていった。
    (本文より抜粋)


     ギター少年が、たった一人で始めた軽音部。雨が縁を繋ぎ、やがて大きなステージへ――

      ※文芸企画「文披31題」を纏めた短編連作集です。

ログインしませんか?

「気になる!」ボタンをクリックすると気になる出店者を記録できます。
「気になる!」ボタンを使えるようにするにはログインしてください。

同じ出店者のアイテムもどうぞ

The Show Carries On!暁星の追憶〜キュリオ・リコレクションズ〜双葉の追憶旋律は追想する

「気になる!」集計データをもとに表示しています。