【掲載作紹介】
散篠浦昌「一方通行相聞歌」
春夏秋冬に関する短歌30首。僕たちは隣り合って座っているのだから、世界や季節や自然に対して、恋文くらいは贈ってもいいと思います。返ってきたりはしませんけれど。
某観者「月白讃歌」
月白の色を賛美する散文詩。井伏鱒二と云う作家が居る。「さよならだけが人生だ」は唐代の漢詩の妙訳としてあり、その訳自体が、もはや彼(主格)の言葉と言える。「花に嵐のたとへもあるぞ」に続く文である。高名な近代作家の関係を少し追うと、井伏は太宰治の師に当たる。その太宰の爛れた私生活をかの川端康成は疎み、彼の作品ごと酷評したのは有名な話である。が、その何れも賛美の内じゃないかと思う、そのような見方もあるのではないかと思う。川端の『化粧の天使達』を掌に、素面の阿修羅像(客格)を対に。そしてその逆も中庸も作品としてはまた、然るように。
散篠浦昌「灰色の極彩」
ポエトリー・リーディングについてのエッセイと、声に出して読む詩のまとまり。見上げないと星も青空も見えないけど、下を向かないと花には気付けないよね、って。伝えたいことはそのくらいだと思います。
ソニックイロニーゴースト前島「フードコートの魔法使い」
三十代の本間直弘はイオンモールを歩きながら頭の中で妄想を語り始める。現実からの連想によって紡がれる物語が重なる瞬間を楽しみにしててください。
※この短編小説には下品な表現があります。
海「トマス・ピンチョンをひらく(1)」
このエッセイは、アメリカの作家トマス・ピンチョンについて、これまでの先行研究/批評をふまえつつ、その作品の魅力をひらく連載です。第1回は、簡潔な伝記、作品の見取り図、現在の批評による位置づけを紹介します。註がもりだくさん!
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