あなたの喜びは、誰かの悲しみかもしれない。
ある一つの状況が相反する二つの感情を生み出す事象は、往々にしてあります。勝者が祝福のなかトロフィーを掲げる幸せな光景は、群集のなかの敗者にとっては引き裂きたいほどに辛い光景になり得ます。
目に見える景色の奥にそっと存在する、誰かの気持ちを汲み取ることにより、思いやりに溢れた優しい物語が紡がれるでしょう。
……でも、優しいばかりではないのが人間です。おまえの悲しみは、俺の喜びかもしれない。
ある観客は、唇を噛む敗者を見て「ざまあみろ」と笑っているかもしれません。
その人が悲しそうなとき喜び、泣きそうなとき笑い、吐きそうなとき嬉しがる、誰か。
友人、家族、他人、恋人。どんなふたりであっても、ひとりにとっては地獄のような苦しみで、もうひとりにとっては天国のような心地良さで、結ばれてしまうことがあるのです。
目に見える景色の奥を抉り出せば見えてくる、地獄と天国の物語をお楽しみください。
・概要:一次創作文芸アンソロジー(収録:小説、短歌、俳句、イラスト)
・注意事項:R-15、嘔吐・吐血表現あり
・執筆者:旭ミコ、イサハヤ、青葉える(主催)、かかり真魚、かとう、琥珀まめ、なかおか、実駒、merongree
※「青葉える」が「えるれ」名義の頃の作品です。
・初版:2019年11月24日 文学フリマ東京
・通販:https://booth.pm/ja/items/1679938