こちらのアイテムは2023/5/21(日)開催・文学フリマ東京36にて入手できます。
くわしくは文学フリマ東京36公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

Re-ClaM eX Vol.4

  • 第二展示場 Fホール | か-39 (評論・研究|ミステリー)
  • りくらむ いーえっくす よん
  • 三門優祐
  • 書籍|A5
  • 136ページ
  • 1,000円
  • 2023/5/21(日)発行
  • 近年再評価著しいQ・パトリックの中短編を、初出雑誌から三編翻訳しました。

    「出口なし」"This Way Out", 1947, 61p(原稿用紙約150枚)
     太平洋戦線への出征中に妻を寝取られたスティーヴは帰国後に間男トニーのアパートメントを訪ね、有無を言わさず殴りつけた。バーで酒を飲むうちに冷静になり、一応元友人であるトニーを気遣って部屋に戻った彼は、射殺されたトニーの死体を発見する。現場にはかつて自分が送った元妻の持ち物が落ちており、疑惑が膨れ上がる。裏切られても、それでも愛しい彼女の無実を証明するため、スティーヴは一人夜のNYを駆ける。
     "謎解きミステリ"×"私立探偵小説"×"ノワール"に、ウールリッチの詩情を一つまみした傑作中編。
    「待っていた女」"The Woman Who Waited", 1945, 7p(原稿用紙約20枚)
     地方都市でデパートを経営する伊達者エラリー・トリンブルが、新装開店日の夜に建物裏の駐車場で射殺された。人格者と思われた男は、実は金に飽かせて愛人を囲っていたらしい。犯人はどうやらその愛人のようだったが、懸命の捜査にもかかわらず正体がつかめない。地元警察のマクレー警部は、トリンブルを"待っていた女"を目撃した者たちの証言を改めて確認し、事件の謎を解決する。
     戦後に展開された「トラント警部補シリーズ」の短編群を思わせる小味な謎解きミステリ短編。犯人の女のキャラクターも良い。
    「嫌われ者の女」"The Hated Woman", 1936, 53p(原稿用紙約120枚)
     有能だが気弱な科学者の夫、その友人で大学の学部長を務める男、大金を「投資」することでいいように支配する若者、その恋人の美容師……大金持ちのライラ・トレントンは知る者すべてに憎まれていた。人々の憎悪が沸点を越えた夜、迸る殺意が彼女の身に襲い掛かる。ほぼ、ライラが暮らすホテルの一室のみを舞台とした作品で、演劇的な視覚トリック(≒叙述トリック)が見事に決まった上出来の中編。第一章と最終章の対比が利いているのも素晴らしい。

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