病室で目覚めた俺の元に、いつもと変わらぬ様子で男はやってきた。その顔を覆う黒い目隠しは、もはや素顔の一部だ。俺の上司であるその男、ゾレンは言った。
「お前は、この国で最もやってはいけないことをやったな。わかっていると思うが、もうお前に自由はない。けれど、私には知りたいことがある。だからチャンスをやろう。自分がなぜ死んだのかを思い出せ。そうすれば、お前を再び自由の身にしてやろう」
この国で、自殺は重罪だ。俺はあの時、確かに死んだはずだったが、ここにこうしているということは、死に損なったのだろう。自分がなぜあんなことをしたのかは、説明できない。その瞬間のことを覚えていないわけではない。そして、あのときその場にいたゾレンも、それは同じだろう。それなのに、何を思い出せと言うのだ。俺は忘れているわけではない。分からないのだ。
「終わったことだ。どうでもいい」
「お前にとってはそうだろうな。けれど、そうしなければ、私はお前を許さない。私かお前、どちらか一方が死ぬまでの付き合いだ。なぜあんなことをしたのかお前が思い出さない限り、一生飼い殺してやる。嫌だろう?」
俺は何も答えず目を閉じた。かつて羨望の思いで見たこの男の傲慢さが、今はただ煩わしかった。
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