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「量産型」のゆくえー「量産型女子」から「量産型オタク」へ

  • 第一展示場 | T-04 (評論・研究|文化研究)
  • りょうさんがたのゆくえー「りょうさんがたじょし」から「りょうさんがたおたく」へ」
  • sally
  • 書籍|A5
  • 28ページ
  • 400円
  • https://appleringo.hatenablog…
  • 2022/11/20(日)発行
  • 「量産型」とは同じ規格や仕様で大量生産・大量消費される工業製品のことを表す言葉である。元々サブカルチャーの界隈では、ガンダムシリーズを始めとしてロボットアニメにおいて大量に生産・大量に消費されるメカやロボットのことを指して用いられることが多かったようである。そこから派生して、6~7年前にはネットスラングとして"無個性なファッションや行動をする女子大生の集団"という意味で「量産型女子大生」という言葉が使われるようになる。このように、「量産型」とは主にネガティブな意味で使用されていた言葉であった。

    しかしそれから数年後、主にジャニーズのオタク(ジャニオタ(ジャニヲタ) )を筆頭とする男性アイドルオタクの間で、ある一定のファッションやスタイルを指して「量産型オタク(量産型ヲタク)」という言葉が用いられるようになる。その言葉は、驚くことに以前の「量産型」のイメージとは一転して、「なりたい存在」「憧れの対象」というポジティブな印象も伴って用いられるものであった。(勿論ネガティブな意味で使用されることもあるが。) その後、それが表すファッションやスタイルとともに二次元キャラクター、俳優、歌い手など様々なジャンルのファンの間で広く使われるようになったと考えられる。

    現在では、「量産型オタク(量産型ヲタク)」、それに付随する「量産型ファッション」「量産型メイク」はメディアでも度々取り上げられるようになり、随分と一般認知度の高い言葉となったように思える。もはや何かのファンではない人の間でも「量産型オタク」という言葉が知られている状況にある。

    本書では、このようにネガティブな意味からポジティブな意味への大きな転換が生じた「量産型」という言葉の変遷や、現在その言葉がどのようにファン・カルチャーやファッションで用いられているのかについて、そしてどのようにそれらに影響を与えているのかについて考察する。

    目次
    1.「量産型」は褒め言葉になったのか?
    2.「量産型」は誰のためのものか?
    3.自己表現としての「量産型」
    4.共同体としての「量産型」
    5.「量産型」へ変貌したブランドたち―ギャルブランドの生存戦略
    6.「量産型」と「地雷系」―新時代の〈ネオ・カワイイ〉
    Extra.「ロリィタ」と「量産型」

    ブログにサンプルがあります。

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