機関誌『傘と胡椒』第3号です。
今回の企画はテーマ競作〈ラブ&ピース〉。五人それぞれの、愛と平和についての物語を、どうぞご覧ください。
〈掲載作〉
阿川せんり「ラブアンドピースのつくりかた」
地味系大学生・知歩は家庭教師のバイト中。教え子のバンド女子・ツギちゃんは最近、オタク女子と揉めており、元からやる気のない勉強にさらに身が入らない。
オタク女子といかに接するべきか教訓を与えるべく、人生の先輩としてツギちゃんに自らの過去を語り始める知歩。しかしそれはオタク女子とバンド女子の不毛なやりとりの歴史に他ならなかった――。
篠原宵「ほうせきの国」
陽介の斜め後ろの席には、真珠を吐き出すクラスメートが座っている。彼女は陽介にとって二人目の「宝石族」だった。陽介が彼女を見つけた日から、なにかが少しずつ変わりはじめる。
高校生の陽介と、「宝石族」の物語。
八木沢佑「乱痴気・ド・ラ・ギャレット」
自他ともにに認める落ちこぼれの僕たち三人は、イケてる人たちに一泡吹かせるためある一つの暗い計画を企てた。しかし、その様子をクラス一のギャル「神崎」に見つかってしまい――。救えない、救われない、救われようともしないぼんくらたちが、じたばたあがく青春物語。
二宮しらべ「臆病者の小さな冒険」
画面の向こうの彼女が、消えた。
引きこもりの「僕」と、ネットで知り合った「アカネ」。連絡が途絶えた彼女を捜すため、部屋を飛び出した「僕」を待ち受けるのは――。
弱くて臆病な僕らに捧げる、小さな冒険譚。
水原涼「return to our home.」
これは君についての物語だ。あの際限もなく長く続いた戦争なんかのことじゃなくて。
君と、君と手を携えて戦争を生きた、ある少年についての物語。
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