珪と清陽シリーズ 総集編
書き下ろしである【彼ノ案山子ハ斯ク語リキ】を含めた4作品を収録!
(イラスト:いさあき
https://twitter.com/isaaki_decoy)
【竜胆を胸に抱く】
舞台は大正時代。花の学園生活を送る五月女珪(さおとめけい)と宗田清陽(そうだきよあき)。
漆黒の髪と瞳を持つ珪。英吉利人の血が流れる、天使と見紛う見目の清陽。
二人は兄弟同然に育ち、互いに認め合い、唯一の愛を語り合う仲だった。
ある夏の日、清陽に病が巣食っていることが判明する。
死がふたりを分かつまでの、最期の一年間を綴る、珪目線の物語。
※Web未公開エピソードも収録
【溺れる人魚】
こんな未来があるかもしれない。
Sの死から十五年の歳月が過ぎた。町医者となったKは、親友であり恋人であったSだったものと、思い入れある別荘に住んでいた。
坂の上にある館の一部を診療所として開き、かつて寮長と呼ばれていたMはKの世話を焼く。
ある日、KはSに瓜二つの人魚の怪我を手当をすることになる。
Sではない、Sに似たものとSそのものの間で揺れるKが取った選択死とは……
【松虫草で弔って】
【竜胆を胸に抱く】と同じ時間軸の清陽視点。
死を宣告された清陽は、生き続けるため、死したあとの不安を払拭しようと、
サムシング・フォー……〈自分にとっての何か〉を探す。
認めた手紙、珪への思い、不安、愛ゆえの葛藤……最期までもがく、清陽が得た答え。
【彼ノ案山子ハ斯ク語リキ】(書き下ろし)
かつて寮長と呼ばれた男は、日本を代表する事業者となった。
彼の半生を振り返った時に、五月女珪と宗田清陽について触れる。
彼らは連理の枝であった。そう言った彼は、誰にも明かしていない秘密があった。