ファンタス赤 / 星くずしピンク / マットPP / エナメル加工
.
ぼくをきみが望む夢にしてほしい。
それが、ぼくがきみにしてあげられる最後のことだと思うから――
旧きひとが仇なした縁を赤き海に贖う水海の天子。
その赤潮に殉ずる者たちが応供の手により海のひとしずくとなったその日、
幼き少年たちは時が満ちるのを待てと手放され、大宰府は多くの血と共にその門を閉じた。
それから幾年か、斎庭の面影を映す南光寺で、東嶌密雄は遠ざかりし天子を彷彿とさせるまなざしをしたこどもと出会う。
逢いたい者と逢えない者と、誰しもの手を取れる夢を歩むものたち。
彼らにも掬えない事が、濡衣に代わり亡霊の首を落としてゆく。
慈しまれた魂は再び巡り会う場所にあった。
それなのになぜ、かなしみは瞼を閉じさせるのだろう。
/
事の編纂により死罪となった少年の思い出と夢の話。
34頁の設定集付属。