2019年第二の新刊は超オススメ!
「ようこそ、我が〈地下炉〉へッッ!」
蒸気機関全盛のこの時代、最もその恩恵に浴した国があった。
都市国家、帝都。
世界で最も蒸気機関が普及したこの国は〈蒸気都市〉とも呼ばれ、
多大なる発展と発達を遂げていた。
*
いまその帝都に一人の女が降り立った。
蒸気機関の普及せぬ東の地よりこの帝都へ赴任を果たしたのは南海楓。
帝都に支部を置く組織の実務員である彼女は後輩の教導のため、
世界随一の都市国家へ足を踏み入れたのであった。
初めての帝都では見るもの、聞くもの、経験するもの、なにもかもが新鮮で、 地方から出てきた楓は、その煤煙のすさまじさに目まいを覚える。
こうした華やかな都会には犯罪もつきもの。
赴任先へ向かう路地裏にて、楓は遭遇してしまう。
仮面を着けた詰襟姿の一味、犯罪組織〈黄金の幻影の結社〉の構成員たちに。
自分はなにか変なことに巻き込まれたのでは。
いやな予感を覚えながらも話しかけようとする楓は、 いきなり連中に襲いかかられてしまう。
またその出来事を影からうかがう特高――特別高度警察隊の目があった。
*
いまその帝都では密やかに人さらいが起きていた。
東部市の人目のつかぬ通りにて、浮浪者が連れ去られているのだという。
だが現場は路地裏、被害者は浮浪者とあって、警察はろくに動きもせぬ。
犯行の陰には〈黄金の幻影の結社〉の構成員の姿がちらほら見えるという。
となれば看過していられないのが帝都探偵協会所属の探偵、 わけても坂下探偵とその仲間たちであった。
路地裏で〈結社〉構成員を撃退した彼らは、 先ほどまで襲われていた女性の安否を気遣い接触を図る。
*
坂下探偵は楓が路地裏で見た存在について証言を求める。
すると楓はあれは『地縛霊』ではなかったか、などと言いだして……。
それは一人の男の焦りからはじまった。彼女はただ巻き込まれただけなのだ。
むろん、帝都では事件に巻き込まれるなど日常的であるかもしれない。
もっとも外国人の彼女にはそれが通用しない。
〈蒸気都市〉帝都 ~幻影の双貌篇~ 第三弾!暗翳の火床
探偵と巫女が出会う時、炎に封ぜられたものが天を求める。
◇作品概要スチームパンク“風”を旗印に活動しております蒸奇都市倶楽部のシリーズ、
「〈蒸気都市〉帝都 ~幻影の双貌篇~」の第三弾です。
帝都に赴任してきた南海楓は〈黄金の幻影の結社〉の計画に巻き込まれる。
それは彼女の意思とは関係なく、やがて探偵や怪人が表れ、囚われの身に。
本文は18行×40文字、12級。
「暗翳の火床」は当倶楽部過去最大級の
文庫判532ページ!!
頒価も最大級の1500円ですが、自信をもってお送りします!
ぜひ一度お手に取ってみてください。
表紙・挿絵・カバーデザイン:へっぽこタルト
◆試し読みできます!
お試し本『「暗翳の火床」試読本』(本冊子の隣のアイテム)を
頒布およびネット上で公開しています! ぜひご覧ください。
「暗翳の火床」試読本
https://plag.me/p/textrevo09/7727 ダイジェスト部分のみ版(3MB)
http://urx.blue/Sn3M ◆注意 本作は当倶楽部発行『蒸奇都市倶楽部報
第一号「幻影機関」』(2013年発行・在庫なし・絶版)掲載の『暗翳の火床‐地下炉‐(前編)』ならびに、
『蒸奇都市倶楽部報 第二号「鐡と金剛」』(2013年発行・在庫なし・絶版)掲載の『暗翳の火床‐灰かぶりの雨‐(後編)』『楓待つ山吹(暗翳の火床 補遺)』を、
大幅に加筆修正のうえで文庫化したものとなります。
本作は2019年度内をめどにWeb版(無料)を掲載開始する予定です
掲載先はオンライン小説サイト『小説家になろう』および『カクヨム』です。
◇シリーズ「幻影の双貌篇」について本作を含む一部作品にはシリーズ名がついています。
サークルが同一の作品世界を扱う上での区分上の処置でして、 作品そのものは続き物ではありません。
ただしシリーズおよび作品舞台が同一という性質上、
他の作品に登場した人物や事件の名前が登場します。
「幻影の双貌編」は作中の敵役〈黄金の幻影の結社〉の暗躍と、
その最終目標〈混沌なる黄金〉に焦点をあてた連作群を指します。
シリーズ概要、解説等の詳細は下記のブログ記事をご覧ください。
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「幻影の双貌篇」(蒸奇都市倶楽部 電子広報)