<短編集>
「サレガマパダニサ」
著:エキセントリクウ
画:中古めおと
(1)
「ビッグバンツーリストの宇宙旅行」 「ファック」が口ぐせのパンクな女の子、飛鳥キラリのもとへ、スーツ姿のイルカが訪ねてきた。株式会社ビッグバンツーリストのツアーコンダクターであると自己紹介したイルカは、キラリへ宇宙旅行の抽選に当選したことを告げる。舞い降りた幸運に狂喜するかと思いきや、キラリの反応は素気無い。そしてイルカに、自らの悲惨な境遇を語り始めるのだった……。
ファッキン・ロマンチック・ファンタジー!
(2)
「月下セイレーン」 斜面に珊瑚が群生し、その上(宙)を魚たちが泳ぐ『珊瑚の丘』。丘の頂に立つ滝桜が満開となり、さらに上空には超満月が昇る――この奇跡のコラボレーションを拝もうと、カジイレモンは胸を躍らせて珊瑚の丘に向かった。だが丘の頂でアヤカシの少女、セイレーンと出遭ったところから、何やらおかしな方向へ調子が狂い始めて……。
月下で展開する、めくるめくサイケデリック・ファンタジー。
(3)
「タブラとタンプーラ」
小学生の姉弟、タンプーラとタブラは、神社で巨大な巻き貝を発見する。巻き貝に開いた穴に進入したタンプーラは、穴が隧道となっていることに気づき、タブラと二人で探険に出かける。隧道を進んだ先で姉弟は、海と大地と空が入り交じるミステリアスな異界へと踏み込んだ……。
ダリやマグリットの絵画っぽい奇妙な光景が次から次へと繰り広げられる、シュールレアリスム・ファンタジー。
以上、三編を収録。
カクレクマノミ舎第四作。
「自分がカクレクマノミ舎で表現したい要素やらテーマやらを、存分に詰め込みました。カクレクマノミ舎の本を初めて読んでみようという方、この『サレガマパダニサ』から手に取ってみてはいかがでしょうか?」(エキセントリクウ)
文学フリマ価格 500円