「これは今夜の、あるいは私たち二人の曲だ」
――戦慄と旋律、失踪と疾走のハードボイルド・ガールズラブ
片想いという長い夢、その始まりから終わりまで
** あらすじ **
厳格な家庭に育った安芸津伊月は、姉・海月へ想いを募らせていた。
「私以外の女の子にならないで」そう言い残して消えた海月を追い、
家出少女となった伊月の前に、絶体絶命の試練が降り掛かる。
「君は、自分が殺されることより、この男を殺せないことに怯えている」
全てを見透かした女・茉莉に誘われ、殺し屋『夜想曲』のボスとなる。
姉に焦がれる妹、皆に慕われる女王、友情のため復讐を成す殺人鬼。
璃菟樹へと生まれ変わった少女の、地獄への疾走が始まる――。
※ストーリーは本書単体で完結しますが、『南雲栞の回顧録』と一部時系列が共通します。