概要扉を閉めて、電源切って
今日も誰かと別れましたか
用法 お別れの前後に服用
さまざまな「別れ」と「その後も生きていくこと」をテーマにした一人称視点、オムニバス短編集。および長編、女性向け。
なにもかもが変化していく、彩のうつろい続いてゆく日々のなか、本書をお楽しみいただけますように。
短編のご案内日常にあるそれぞれの「別れ」をテーマにした短編集です。
現代小説、幻想小説、世界観
性別を記載していないものが多くあります。
長編のご案内ちいさなオフィス。 離職するときになるまで気づけなかった、築けなかった人間関係。 上司以外は女性しかいない職場で、あえて壁を作っていた主人公。 あたらしい女が、まるで自分の残像のように、軽やかにオフタイムへ繰り出してゆく。 やがて、オフィスに残された彼女たちの間の壁が、やさしく溶けて行く。
残像オフィス ー平行線別離ー詳細など
※短編
・木陰の告白(桜花/短編 書き下ろし)
別れのシーズンのあとさき。物語の語り手とは一体。
・給水塔の空(幻実/短編 SSをもとに書き下ろし)
二人きり、だったあの場所をもういちど。初出より大幅増。
・紅造花世界(世界/短編 SSをもとに書き下ろし)
知ってしまったことで、一変する世界。
※長編 詳細
・残像オフィス(寛容とお別れ) 「残像」「城壁」「焚火」
29歳の誕生日に、上司であり事務所の所長である石坂に別れを告げられた主人公、弓山寿。職場のほとんどのスタッフは女性で構成されている。 職場では石坂の右腕として、プライベートでは愛人であった弓山は、周囲の同僚との間に、必然的に壁を作ったままで働いていた。
弓山に代わり、あたらしいスタッフとして採用された若く優秀な女、吉川。石坂は弓山を捨て、吉川に乗り換える。若い吉川の出現により、弓山は職場にいられなくなり、プライベートも喪失し、退職して田舎に帰ることを決めた。連日引き継ぎと吉川の残務を残業でこなしながら、有給も消化できず、膨大な仕事に向かい、誰にも応援を頼めずにいた。
いつも事務所にいる女性スタッフの小西と菱田。管理職に男性しかいない職場のなかで、二人は弓山の状況をを察する。
別れ間際になって生まれる人間関係を、一人称で。
弓山寿の五感をそのまま記し、読者へ流し込むことで、あたかも実体験したことのように感じていただくことをを目標に書かれた、没入感の高い長編。