異世界の大陸、辺境の王国に呪われた王子が誕生した。世継となるさだめと王国の破滅の予言と共に。
父王は我が子を疎んで遠ざけようとするが運命は父王の望みに反して王子を玉座に押し上げる。背後には魔性と妖女の企みが有った。王子は実質、彼らの傀儡だった。
しかし、王となった呪われた子は、ある出会いによって自我に目覚め、傀儡であることから逃れようと足掻く。傀儡を取り戻そうとする魔性と妖女。彼らの確執は異世界の中の異界まで巻き込み、ついに死者の大軍が地上にあふれるに至るのだった。
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白昼のを尚白く裂き天地を繋いだ火柱の中、一つの王国が滅び、一つの城が堕ちた。陥落したのではない――或るいは陥落したとも云える――文字通りこの世ならぬ底へ深く深く落ち、墜ち、堕ちて、地上の全ての命有る者の眼前より姿を消した。
と、伝えられている。
書は散逸し、詩人どもの戯言は信ずるに足らぬ。正しき伝えは失われて久しい。が、ひとまずは虚実を問わず拾える限りの断片を拾い、接ぎ合わせ、その滅びの発端から終焉までを語るとしよう。
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※作者の目論見
「自分がファンタジーらしいと思うファンタジー」を書く、というのが目標でした。つまり、「私を育ててくれたファンタジー」を目指したんです!二十年~三十年くらい前の作品群ですね。
運命の子、とか。
運命に抗う話、とか。
抗いきれない運命、とか。
そんな感じです。ルーツのわかった人は友達です!
当初はとにかく主人公が「奈落」に落ちて上がってくる過程を書くことしか念頭に無かったのですが、「奈落」に落ちるような人物を描写するのに苦しみました。おかげで「奈落」に落ちるまでの前段階がブワッと膨れあがりました。
本番は「奈落」に落ちてからなんですが、前段階も退屈しないように色々趣向を凝らしています。おかげで惨事、惨事、惨事~のあなた~るるる惨事~に会いましょう~みたいな惨事だらけで大惨事な話になってしまいました。
刺激の強い描写もあり、レーティングに悩んだのですが、冒頭部分で食いつける人なら何歳だろうが大丈夫だろう、ということで全年齢です。
一時、なろうに掲載していて、毎日コンスタントに読んでいただけて4年間で7万vew記録しました。
ダークな話なせいか、『ベルセルク』と比較する人も居ました。地味に愛されていた作品だと思います。
とはいえ、元々紙媒体への愛が強かったのに加えてWEB小説というメディアに色々限界を感じて削除して紙にしてしまいました。現在は紙でしか読めません。ので、ぜひ、紙で読んでいただきたいと思っています。
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