黒薔薇を愛した名探偵が織り成す、漆黒のゴシック・ミステリーをお届けします。
今回の事件の舞台は、若手アーティストの作品を扱う老舗のギャラリー。
絵の中のピエロが笑う時、持ち主は必ず一週間以内に死ぬ。
365日、薔薇の香りで満たされた黒薔薇十字探偵協会公認の私立探偵、クロバラメイムの事務所に、若い画商の男、素木アキナとその母親マキコが訪ねてきた。そこで、クロバラメイムは、アキナから、亡くなった祖父アキラの形見である古い絵画『泣くピエロ』にまつわる、奇妙な言い伝えについて、調べてほしいと依頼を受けることになった。ピエロが笑うと、必ず持ち主は呪い殺されるという、いわくつきの絵画の謎を調べていくうちに、クロバラメイムは、25年前、ピエロに呪い殺されたアキラの死の真相を知ることになり……。