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「どうだい、また千年後にでも一緒にこの続きをやるかい?」妻の介護の日々を詠んだ歌集、待望の復刊――。
「どうだい、また千年後にでも一緒にこの続きをやるかい?」
妻の介護の日々を詠んだ歌集、待望の復刊――。
妻が脳動脈瘤破裂で倒れた。まだ五十六歳と九箇月という働き盛りで、何の予兆もなく突然のことであった。幸い一命はとりとめたものの、いまだに退院のめどもたたないまま、まもなく二年が経過しようとしている。
――「はじめに」より
介護の歌は、同時にみずみずしい恋歌でもある。
倒れた妻の回復を千年でも待とうとする夫。不可能な愛を切々と詠った珠玉の歌集。
――荻野アンナ
<収録歌より>
妻よ、汝が命この世にとどまれど汝がたましひはいづこさまよふ
幾本もの管につながりしろじろと繭ごもる妻よ 羽化するか、せよ。
車椅子押しつつおもふ平和とはこんな小さなやさしさの積
今日妻の発せし言葉ふたつみつ花びら拾ふごとく書きとむ
坂の上に湧く白き雲 いまはただその雲めざし車椅子押す
夕焼けに照らされてゐる妻の顔まぎれなくいま生きてかがやく
MISAKIレーベルとは……
日本最古の歌集『万葉集』から、現代短歌まで。MISAKIレーベルは、日本文学、日本語、日本文化などの専門書、学術書、一般書を主に編集・出版してきた笠間書院が、ベテラン歌人の第二歌集以降、復刊歌集を刊行するために立ち上げました。上代から現代まで、あらゆる文学をつなぐ架け橋のひとつです。
復刊版あとがき