ロシアのウクライナ侵攻が始まる三年前の二〇一九年一一月、リトアニアの首都ヴィルニェスに飛行機で降り立ち、ラトビアの首都リガ、エストニアの第二の都市タルトゥ・首都タリンへとバスでバルト三国を旅した。
対ソ連(ロシア)との過去の歴史の経緯から一括りにされるリトアニア、ラトビア、エストニア。実は歴史や民族構成、言語・宗教・文化まで、全く異なる背景を持つ。しかし、ロシア支配下に置かれ厳しい歴史の爪痕が残っており、対ロシアへの不安感・緊張感は色濃く漂っていた。
支配した国の影響はそれぞれの国に特徴的に刻まれる。リトアニアの首都ヴィルニェスの旧市街にはポーランドの雰囲気が漂い、ラトビアの首都リガは貿易都市として中世から栄え、中世からのドイツやソ連の影響が複雑に入り混じる混沌とした外観が印象的だ。エストニアはフィンランドとビジネス・パートナーの関係にあり、フィンランドに似てデザインの洗練度が高く、物価もバルト三国の中で最も北欧に近い。バルト三国はヨーロッパの中でもグローバル化が比較的進んでおらず、中世〜近代の雰囲気もそこここに感じることができる。
この冊子では、リトアニアの首都ヴィルニェスからラトビアの首都リガまでの旅を記す。写真26点含む。