静謐ファンタジー×幼馴染×なんだかミステリー
朽ちない塔に置かれた鉱石。窓から見える鐘楼。
遊んでいた二人の前に見知らぬ風景が現れた。
子どもは、その鉱石を割ってしまった──
§
ミモザと見た風景を探し、ひとり旅に出たワカト。しかし、いつの間にか知らない場所にいるなど彼の身に異変が起きる。どうやら魔法に出会ったようだ。魔法とは、もっと力の弱いものではなかったか。
調べていくうちに、それが昔に使われなくなったはずの駅の魔法であることが判明する。
ワカトが出した手紙から危機を察してミモザ助けにきた。
さあ、この魔法とどう別れようか。
幼馴染二人で少しずつ謎に近付く静謐なファンタジー。
◇カバーあり・箔押し・六万字強
現在通販まで手が回っておりませんので、この機会に見本誌だけでも手に取っていただけたら幸いです。
親愛なるミモザへ
線路の上に、僕の幽霊がいる。
汽車は先程から平地を走っていて、柵の向こう、等間隔に植えられた広葉樹は果樹園だろうか。ちょうど葉が生い茂る高さにだけ霧がある。薄い雲を地上にまで下ろしてきたようで綺麗だ。雨が降っていたのだろうか。今は晴れていて、霧のない高さにあるものは遠くまで見える。
実が生ってないか気になった僕が窓の向こうを見る。霧が隠しきらない近い木々をよく見ようとする。一瞬で背後に過ぎ去る枝葉と共に、僕も背凭れをすり抜け線路に振り落とされる。
また、振り落とされる。
同じ想像を何度もしていて、実はいつまで経っても見つからない。汽車が去った線路には、置いていかれた幽霊が何人も転がっているはずだ。
ミモザの、幽霊のおじいさんの話を思い出した。
◇さらに長いサンプルはこちらから。noteに飛びます。
https://note.com/suityu_/n/n48821a55b249?sub_rt=share_pw
タイトル文字 湖上比恋乃様
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