5年経っても、消えない傷がある。
それでも、人は自分の人生を歩んでいける。
三十年ほど前のアメリカ。
HSP(繊細さん)の美菜子は、夫スティーブとの暮らしや、仲間たちとのキルト作りを楽しみながら、少しずつ異国に自分の居場所を見つけていた。
カリフォルニアの光。
色とりどりの布。
友人たちとの何気ない会話。
穏やかな日々は、確かにそこにある。
けれど、心の奥にしまい込んだ過去は、消えてはいなかった。
忘れてしまいたい。
もう大丈夫だと思いたい。
それなのに、ふとした瞬間、見知らぬ男性によって深く傷つけられた記憶は美菜子をあの日へと引き戻す。
「このままじゃ、だめだ」
ずっと見ないふりをしてきた自分の心と、美菜子は少しずつ向き合い始める。
人は、傷ついたままでも、もう一度歩き始めることができるのだろうか。
人との出会い。
誰かのさりげないやさしさ。
そして、ひと針ずつ縫い重ねられていくキルト。
小さな一歩の先で、美菜子が見つけていくものとは――。
『キルトに小さな花束を』は、アメリカの日常と手仕事のぬくもりの中で、ひとりの女性が自分の人生を取り戻していく再生の物語です。
苦しみを抱えている人に。
そして、大切な人のそばで、どう寄り添えばいいのか迷っている人にも。
「もう遅いかもしれない」
そう思っているあなたへ。
『繊細さんなわたしへ』シリーズ第2巻。
前作を読んでいなくても、この巻からお読みいただけます。