2038年、東京湾に浮かぶ“他国”で、日本人文化人類学者が殺された──。
横浜・本牧沖に浮かぶ人工島・通商ブルンガ島は、日本政府が移民政策の代替として設けた“外国籍の工業団地”。
そこを運営するのはアフリカのブルンガ共和国。島内では現政権ハミ族と旧王政クマ族の確執がくすぶり、地下では島の経済を支える波力発電所が唸りを上げる。
文化と政治、経済が交錯するこの島に、元刑事・山部邦夫と、アフリカ留学経験を持つ美貌の女性捜査官・檜坂香織が送り込まれる。だが彼女は捜査以外では天然で、山部は「この子、友達いないんじゃ…」と密かに心配する。
与えられた時間は48時間。
文化人類学的記述が織り込まれた本作は、「文化的に離れた国から見た日本」という視点を通して、読者に問いかける。
近未来×異文化×本格ミステリー──知的好奇心を刺激する一冊。
二