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海のまぼろし

  • こ-09 (小説|戯曲・シナリオ)
  • うみのまぼろし
  • 永久
  • 書籍|A5
  • 36ページ
  • 900円
  • https://suzuri.jp/mikeneco_za…
  • 「海のまぼろし」 

    作:永久


    海辺に二人の女性が立っている。
    彼女たちの吐く言葉は、波や風の囁きである。
    波と風は、まだ見ぬ『蜃気楼』について思いを馳せる。
    遠く、海の際、彼岸を渡って近づいて来るのは〈まほら〉。
    夢と現を往ったり来たり、虚の舟に乗り、微睡み、やがて目を醒ます。
    風と波は、ひとつの木箱を眺める。
    『蜃』が眠っているという、中は見えない箱。
    空想する。
    蜃の大きさ、手触り、色、まだ聞いたことのない鳴き声。
    同じものを見ているはずなのに、一人ひとり異なる形をしている。
    それはまるで蜃気楼のように。
    波は蜃について語り、風は木箱について語る。

    此岸に姿を現したまほらは、再び海へ還ってゆく。
    ゆっくりと、その輪郭を溶かしてゆく。
    いとおし、海の、まほろばへ。


    ―――――――――――――――


    本作は奥能登国際芸術祭2023で上演した作品の台本です。

    令和6年能登半島地震をうけて、チャリティー動画配信も行っております。URLをチェックして頂けると幸いです。会場でも動画を販売致します。


    劇団三毛猫座+熊田悠夢

    「海のまぼろし」


    上演日:2023/10/7〜8

    上演時間:52分

    上演会場:鉢ヶ崎海岸(石川県珠洲市)

    出演:綾乃 大塚啓 柴田奈緒

    美術:熊田悠夢(木彫作家)

    演出:neco

    脚本:永久

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