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白虎の血族〜創作BL小説短編集〜

  • す-15 (ノンフィクション|エッセイ・随筆・体験記)
  • びゃっこのけつぞくそうさくびーえるたんぺんしゅう
  • きよにゃ
  • 書籍|A5
  • 96ページ
  • 600円
  • https://comicomi-studio.com/g…
  • 2024/5/12(日)発行
  • 【収録内容】

    4つの短編BL小説を収録。
    1.「白虎の血族」(中華ファンタジー)
    2.【書き下ろし作品】「古傷ごとあなたを愛す」(洋風ファンタジー/義賊×料理番)
    3.「雪に埋もれた状況でHするの? 考える時間が欲しいんですけど!」(現代リーマンもの)
    4.「いっそ打ち明けてしまいたい、好きだと!」(高校生/神社の息子×取り憑かれやすい高1男子の短編)

    【書き下ろし作品について】
    「くっ、殺せ!」と叫ぶ義賊 × 拷問シーンを覗き見して一目惚れした料理番の青年
    攻めと受けが追っ手から逃げる逃亡劇です。(ラブシーンあり/ハピエン)


    【サンプル】 古傷ごとあなたを愛す


    「イルヴァ山の守護神と恐れられたダグラスも、鎖に繋がれては形無しだな。隠した財宝のありかを吐いたらどうだ? どうせこの先助かりはしない」  
     鞭のしなる音が聞こえ、痛みを耐える「グッ」というくぐもった声が聞こえてきた。
     「くっ、殺せ。いっそひと思いに殺せ!」
      長い鎖で繋がれた男が吼えると、空気がビリビリと振動する。ダグラスと呼ばれた男は鞭に嬲られ、上半身は服の端切れだけだ。長い黒髪は手入れされていないのだろう、たてがみのように広がっている。日焼けした肌に汗が粒になって浮かんでいて、ズボンとブーツには血や煤がこびりついている。
      岩の隙間を覗いていたルークは、篝火(かがりび)に照らされた光景に釘付けになった。
     「古い城だとは思っていたけど、地下に拷問部屋があったなんて……」
      火打ち石を探しているうちに、昨日から拝借している古城の地下に降りてきてしまった。良さそうな石が見つかったあたりで、声が聞こえてきた。その方向へ導かれていくと、岩の隙間から拷問部屋がのぞけるようになっていた。
     「お前はこの先警察に引き渡される。どのみち殺されるなら、俺達に財宝を譲るくらいの善行をしてくれよ」
     「お前らはハイエナだ、そんな奴らに施すつもりはない……ぐああっ!」
      傷口を狙って鞭打たれ、悲痛な叫び声が上がった。
     「痛かったか? すまんな、手が滑った」
     「この卑怯者……!」
      捕らわれた男の琥珀色の瞳からは怒りが溢れ、鋭い眼光でルークの仲間を睨みつけている。捕らえられた野生動物を思わせるダグラスに勝る生命力を、今まで見たことがなかった。
     「あの人が義賊ダグラス。本物なんだ。格好良い……」
      口を突いて出た言葉に、自分でも驚いた。捕まえたばかりの盗賊団の首領を格好良いだなんて、下働きが言うことではない。だれかに聞かれでもしたら処罰されかねない。
      でも、なんて綺麗な色の瞳なんだろう。松明(たいまつ)の光を受けてキラキラと輝いている。まるで宝石みたいだ。
      彼を助けたい。あんなに凜々しく気高い人が殺されるなんて駄目だ。助けないと、一生後悔する。
    【サンプルここまで】

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