かつて、偉大なる錬金術師の開祖は、万象を塵と化す”塵灰”が舞う世界から新天地アルケウス大陸へと人々を導いた。
そこは”理”を紡ぎ、人造の”創神”たちを守護者とする、調和と豊穣の大地だった。
だがそれから長い時が流れ、塵灰はアルケウス大陸をも呑み込み始める。
狂いし創神は”禍神”となって大地を蚕食し、塵灰より生まれる怪物”灰魔”が生ける者に牙を剥く。
虫食いのように、あるいは焦げた紙片のように、大地が塵灰に侵食されていく時代――。
しかし、人々は決して無策ではなかった。
開祖の奇蹟を継がんとする錬金術師たちは、叡智の最高学府、カリオストロ学院に集う。
そしてここにまた一人。
若き錬金術師が、志を胸に、学院の門を叩いた。