こちらのアイテムは2024/9/8(日)開催・文学フリマ大阪12にて入手できます。
くわしくは文学フリマ大阪12公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

1Days 1Storys-July‐

  • く-31 (小説|BL)
  • わんでいずわんすとりーずじゅらい
  • かのこ
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 64ページ
  • 400円
  • https://plus.fm-p.jp/u/bonjir…
  • 2023/9/10(日)発行
  • 【書く習慣】アプリ内に投稿した作品をまとめたSS集です

    ※作中に自死を連想させるものが含まれますが、そういった行為を推奨・賛美する意図はございません ※一部、男性同士の恋愛を匂わせるものがございます

    【仕様】
    文庫サイズ/表紙フルカラーPPマット加工・本文モノクロ/66ページ(表紙込み)/2023.09.10

    全28話
    本編サンプル
    【だから、一人でいたい】
     無意識にタバコを買って無意識にタバコに火をつける。
     口にくわえて、煙を吸ってからその事に気がついた。
     タバコを吸うなんて久しぶりだ。こんな珍しい銘柄のタバコなんて、そうそう売っているわけが無いから、どこかで意識した部分もあったのだろう。
     せっかく火をつけたし消すのが勿体ないから、そのカカオの味がするタバコを楽しむ。
     番組のロケで連れ回されて、気がつけばどこかの山の中にある道の駅で休憩している。
     他の連中はトイレに行ったり、買い物をしたり散らばっていて、今は僕一人だ。
     長い時間、車の中でいい歳した男が四人もいると、ギスギスすることもある。
     僕が「僕」を演じている時は、カメラも回るし気難しいあの人も「あの人」を演じているから、空気も悪くならない。
     問題はカメラが回っていない時だ。見知らぬ土地で慣れない道を運転すれば、誰だってストレスが溜まる。
     だからこうして、各々が好きな時間を取れるのが、救いとなっている。
     せめてこのタバコ一本が終わるまで一人でいたいのだが。
    「おやおやぁ、先生。美味そうにタバコ吸ってますなあ」
     ドラ声のカメラマンが、にやにや笑いながらやってきた。
     カメラはばっちりRECのボタンが点灯している。
    「だから、一人でいたかったのに」
     そんな僕の呟きも、カメラマンのガハハと言った笑い声にかき消されてしまった。


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