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黒の舞師 壱ノ巻

  • か-37 (小説|ファンタジー・幻想文学)
  • くろのまいし
  • 楠深海
  • 書籍|A5
  • 170ページ
  • 800円
  • https://ealielii.booth.pm/ite…
  • 2018/6/3(日)発行
  • 第六回ネット小説大賞一次通過作品の改稿版です。

     黒牡丹の塔には、恐ろしい魔将が住んでいる……。
    「黒髪の御方」と呼ばれるその者こそは、すめらの帝国一と恐れられる武神。
     帝国を守る柱国将軍のひとりであるという。
     その力は一騎当千。しかも不老不死にして、残酷きわまりない気性なのだとか。


    「かあさん、かあさん、きれいなおとよ! てんのきらめき、おどるかぜ!」


     村娘のクナは一夜のうちに巫女にされ、「黒髪の御方」に捧げられた。
     月神殿の大神官トウイが、手塩にかけて育てたおのが娘、マカリ姫を差し出したくなくて、クナを身代わりにしたのだ。「柱国将軍」は無敵の加護を得るため、巫女をあるものへのいけにえにしてしまうからである。
     しかし――

    「あたしを、たべてください!」

     逃げるわけにはいかない。食べられないわけにはいかない。
     家族のために、クナは身代わり巫女の使命をまっとうしようとする。
     それを怒って止めたのは他でもない、黒髪の柱国将軍その人だった。

     かくして生きながらえたクナは、知ることになる。
     おのれは、「ふつう」とはまったくちがうものだということを……

     大陸随一の古き超大国すめらを舞台に
     時を越えた絆を紐解く、和風大河ファンタジー。

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