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水にて編みし魚

  • C-42 (小説|純文学)
  • みづにてあみしうを
  • 大坪命樹
  • 書籍|新書判
  • 112ページ
  • 700円
  • 2023/7/20(木)発行
  • 小説家大坪命樹の第二歌集。大坪命樹は、どこの結社にも属さず、しかも短歌を本業としていない野良歌人である。歌会にすらあまり出席せず、我流でみずからの楽しみのために歌を詠う。大坪にしてみれば、短歌は想い出を言葉で封じ込めるために詠うものでしかない。一般の歌人からすると、いかにも単純な吟詠動機だろう。
     そのような、素朴な詠い方で、自分の生活の感動を切り取った歌が多く収載されている。一部、反政府的短歌も選ばれているが、それも大坪の生活の中での実感であり生声である。
     そのような歌を243首を収めた。

    《自選五首》
    雲間より見え隠れする名月よ恥ぢらふかたちぞ乙女のごとき
    棺より最期の目見え 往にてなほ笑みさへ帯びて諭すやさしさ
    花咲くをり郷より帰るべききみよ 希望が蕾なほ膨らむかな
    高原が青空のもと燃えのぼるガラスが焔 レンゲツツジよ
    富士見台登るまはりに花原ぞ 神の被せし大地が毛布か

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