この国の中枢は、八つの機関から成り立っている。
法務を司る第一機関、外交を司る第二機関、財務を司る第三機関、そして、公安を司る第四機関というように。
そして近年、秘密裏に発足したと囁かれているのが、公には存在しない九番目の組織――粛清を司るといわれる第九機関だ。
あらゆる違法行為――殺人さえも、第九機関が“執行”すれば、それは“超法規的措置”の扱いになる。
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第九機関の人間に、墓標はない。
回収された死体は骨すら遺らず処分され、徹底的に存在を抹消される。
生きていた痕跡が無になり、世界のどこにも存在していなかったことになる。
まるで、最初から、生まれてこなかったように。
《削除人》として任務に当たっていたルイは、ある夜、助けた仲間に見殺しにされていたところ、同じ《削除人》として応援に派遣されていたナキに助けられる。
弾道を見切る驚異的な反射神経と抜群の身体能力を備えたナキは、優秀な《削除人》だった。
不思議とナキはルイに懐き、ルイもどこか危ういナキを放っておけない。
ふたりはペアを組むことになり、息の合ったコンビネーションで、任務をクリアしていく。
そのさなか、組織の中で、周囲の仲間を殺害し自らも命を絶つ同僚が続出する。
拡大自殺か、それとも、組織に叛逆する自爆テロか。
調査を進めるうち、事件の裏で糸を引く、ある宗教法人の存在が見えてくる。
教団に“粛清”の銃口を向ける第九機関。
しかし教団もまた、第九機関に牙を剥く。
何も遺さない者たちの、刹那と永劫の物語。
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「第九機関」シリーズ第5弾です。
※同じ国(組織)を舞台にしているのでシリーズとしていますが、各々ストーリーは独立しているので、単独でもお楽しみいただけます。
【試し読み】
https://kakuyomu.jp/works/16817330660575143274