架空大河小説シリーズ第二巻
中華風架空異世界「四方大陸」を舞台にした長編歴史小説
岐崔動乱より四年後。文輝は西白国で武官として着実に功績を作っていた。
この国の首府は湖城だ。周囲を取り囲んだ湖水と陸地を結ぶのは三つの「津」しかない。
その一つ、眉津の対岸にある城郭・沢陽口から不可解な暗号通信が届く。
かつて見たことのある筆跡——のあるじはもうこの世界にはいない。にもかかわらず文輝は直感してしまった。何らかの事情が交錯してこの文が作られたことを。
文に招かれるようにして訪れた沢陽口で文輝は言い知れぬ違和感を覚える。
役所で暗号通信の発信者を探そうとするが、にべもなく追い返され、副官の助言に従ってある人物を訪ねて行くことに。
衛士のいない山門。石くれに圧し潰された四阿。そして文輝たちを襲う「怪異」
命からがら逃げ戻った港湾で文輝たちは城郭全体が「忘却と失念」に包まれていることを知る。
ようこそ忘却と失念の城郭、沢陽口へ
その言葉の真意を知るとき、文輝は何の為に刃を掲げるのか――?
サンプルはこちら