消えた天女の妻を追って天へ昇る男 「星合う夜の夢」
祭りが近づくと塞ぎ込む妻を持つ庭師 「かざし野」
六つの地蔵を前に回想する老人 「冬ざれの地蔵辻」
生きるため魂をかけて鬼と取引をする男 「願いを別つ境界の川縁」
朽ちた社に棲む龍女に琵琶を奏でる男 「汀に散る音」
自分にしか見えない犬に守られてきた娘 「守りの黒犬」
神隠しに遭った幼馴染を捜す少年 「土の神話」
人の恋人を幸せにしたいと思った異類 「瞳に絡めて射止められ」
人が人以外のものと出会うとき、 そこにはどんな幸せと悲しみが生まれるのか。
あわい境界を越えた 八つの日本昔話を詰めた短編集です。