【おそ松さん×短歌×俳句×短編小説】
「スターシステムだよ」と先生は言った。
「スターシステムってなんだい」とぼくは訊いた。
「舞台の上で、永遠と生きたり死んだりを繰り返すことさ」と先生は答えた。
「何だか、魔法みたいだねえ」とぼくは答えた。
それから少し考えて、どちらかと言うと神さまみたいだな、と思った。
その舞台を作ることは、神さまみたいだった。
■ 短歌・俳句連作『いらないほうの神さま』 (一部掲載)
「たぶん行かない」松野おそ松/松野チョロ松
ネタだったはずの真冬の遠足の荷物についてケンカをしたい
しなびゆくパンフレットを下敷きに書いた履歴書だよ受かったの
かみさまに肩を貸すのが好きだったことをしってるかみさまが来、て
ゆふぐれの兆しばかりを幻視するたぶん行かない熱海海岸
「魔法使いはふたりもいらない」 松野おそ松/松野十四松
向日葵をやさしく摘んでこの国に魔法使いはふたりもいらない
飛ぶきみをゆるしてきたね月面にさわったあとは揃いの寝巻き
包帯を取ってあげよう永遠のファウルボールの満つ庭先で
おとうとを押し花にする蛇口から漏れる水だけとまらないまま
「渡航前」 松野トド松
詐称した身の丈ほどの雪つもる
冬萌や人のしるしとしての臍
早梅に身を乗り出せる古借家
ふゆいちごねだるひとなくひとりねる
恥と思ふ兄のポケット手を入れる
室咲きを猫背にゆずる渡航前
金髪に卸す筆ありゆきほたる
■ 恐怖の下宿人二次創作小説(誘拐成功ルート)
『ずこうのじかん』 ひたすらおそ松が東郷さんに搾取されるはなし。暴力しかないです。
■ 速度松中心二次創作小説(二十五話後)
『僕の赤光』 魔法少女チョロリンの韻を踏んでいる地獄。
「いつか殺す兄とうたた寝大晦日」という俳句を解凍して小説にしました。
短詩連作は全松カバーで広くお楽しみいただける感じの作風です。 短編小説は全体的に地獄なので地獄がすきなひとはよろしくお願いします。 松野おそ松が兄弟を搾取したり強盗のおっさんに搾取されたりする魅惑の新書本。 三つの連作はメタ的に対応し合っているので、そのあたりも楽しんでいただけたらと思います。
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