本作は2023年4月30日~10月9日まで、髙塚さんのnoteで連載されていた作品を加筆修正してまとめたものです。
連載終了後記事はすみやかに削除され事実上非公開となっておりました。
現在ではマガジンの説明に、「散文の連なり。小説かもしれない。」とだけ記されています。
この文章のなかでは、普段一言で言い表しているような対象を、新たに分解して表現し直すという試みが至るところでなされています。
その効果によってもたらされるのは、当たり前のようにある関係や物や景色が、本来特別なものであるという実感なのではないかとも感じられます。
『散文の連なりについて』を読みながら、自分だったら、目の前にあってすでに関係している物事や人のことを、どんな風に表現し直せるだろうと考えてみて、もう一度じっくりと、自分にとっての大切なもの、そのなかでも、よりずっと大事なひとつはなんだろうなどと考えては、充分に満たされていることに気づいたり、欠けているデコボコに気づいて、それが切なくも愛しく感じたりもするのでした。
そんな風に内側に向けた目線が研ぎ澄まされていくには、やはり、髙塚謙太郎が詩人として長きに渡って活動してきたことが土台としてあるからにちがいありません。
この本は小説としても詩としても読むことができるのではないでしょうか。
手にとってくださった方の好みに合わせて読んでいただけましたら幸いです。
きっとこれまでに感じたことのない読書体験へと導いてくれることと思います。
ひとつひとつの言葉が、てにをはにいたるまで丁寧に選ばれて紡がれているように、組版とデザインにも時間をかけて繊細に制作していきました。
今回、組版と装幀を担当してくださったのは、川島雄太郎+川島康太郎のおふたりです。
ぜひ、お手にとってゆっくりご覧ください。
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