「生きていたいから、戦うことにした」
シリーズ1作目。
近未来SFアクション。
出生にワケって人に触れない主人公が、危険な機械と戦いながら生きる目的を探してる話。 近未来。メトロシティではAI産業の競争が激化し、オートマタ製造が普及したおかげで、人々の生活は格段に向上した。一方、オートマタを違法に製造し犯罪に利用する者も増えた中、伊野田はそれらを取り締まる機関 「事務局」に所属していた。
そして、登録名:ウェティブという違法機と自身に思わぬ関係性があると知り、彼はオートマタ産業の重鎮である「笠原工業」と対立することになる。壮年の男に監視されつつ、日々戦いに身を置いている。趣味は酒とパズル。
本作はシリーズ1冊目。4話収録。 #マーシャルアーツ #オートマタ #退廃的 ※暴力・流血あり
・ファーストコンタクト
荒地を訪れた主人公(20代後半)が、のちに相棒となる笠原拓と出会う話。 # 飲みすぎ注意 #若かりしあの頃 #第一印象最低
・ハードボイルドセレナーデ
主人公+笠原+監視役で、危険な機械の起動を阻止しようとする話。 短編集2の伏線がある。 #ライバルの女 #戦う理由 #流血
・フクロウは迫りくる黄昏に飛び立つ
サブキャラの黒澤(当時30代前半)が、地元のドジ保安官と厄介ごとに巻き込まれる話。
メトロシティに来る前の出来事。 #田舎暮らし #巻き込まれ型 #ツンデレ
・余談ですが、彼について私はこう思う
主人公が、成り行きで高見佳奈(20代)の仕事を手伝う話。 #プライベートトーク #したたか女子 #ご飯休憩
・登場人物
伊野田…主人公。接近戦が得意
笠原拓…伊野田の相棒。
黒澤…飛び道具とサポートが得意
高見佳奈…メカ機械担当。明るい。
琴平…伊野田の監視者
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【読者様からいただいた感想】抜粋
・言葉がぜんぶ綺麗で、
読み進めるのが心地よいです。
・近未来ですが、古びた木造建築やラジオ、ボウガンなど
所々レトロなアイテムが登場するところもツボでした。 戦闘シーンも臨場感があって泥臭く、
カッコ良かったです。
・最後のお話のような、
人物同士のプライベートな生活の会話がアクションと共に織り込まれているのも素敵でした。
・
近未来なのにレトロ感+退廃的なのが新しい
・
主人公が人間くさくてよい ・武闘派、頭脳派みたいにポジションが分れてるから
キャラの個性があっていい ・チームの絡みが、見ていておもしろい
など。ありがとうございました。
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作:久納一湖、イラスト:ハルサカ様
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【抜粋】
「それでなんでこんなことになったと思う?」
彼は苛立っていた。プランにない状況だからだ。通信先からすぐに返事が来る。あちらは冷静な声色だった。
『日頃の行いのせいだろうな』
乾いた声でそう言い放つ相手を一旦無視しつつ、男は、伊野田は目の前の問題に向き直る。ひとまず切り抜けなければ相手に直接文句も言えない。
(まったく、なんで人間の方に追われるハメになったんだ……?)
馴染みのない街を駆けている間、路地に迷い込んでしまった。いくらナビ役がいたとしても、古い街にはいくらでも抜け道が存在する。伊野田は簡単に袋小路に追いやられてしまった。相手が人間だと、どうにもこうにもうまく事が運ばない。だが、人気の無い場所に来られたほうがこちらにとっても好都合だった。人前で堂々とこなせる仕事ではない。
彼は意を決して振り返る。レンガの道を走って来る複数の足音が、角を曲がる。通信の相手が早口で告げてくる。近くに身を潜めているようだが、あちらもそれほど余裕はないらしい。
『そこは封鎖されてる』
「んなもん、見りゃわかるよ。後でプランについて話し合う必要があるな」
『さっきも言ったけどな、日頃の行いのせいだろう』
「ちょっと黙ってて。今、集中してるから」
彼は咳ばらいをした。集中のつもりだろう。
『集中? まさかおまえ、また待機中に酒飲んでたのか?』
「あんなの飲んだうちに入らないって」
『大丈夫なのか。前みたいに吐くなよ』
小言を交わしている間にも、伊野田を追ってきた足音がじわじわとこちらへ距離を詰めてくる。人間を相手にするなら、いつも以上に慎重にならねばならない。たとえ相手が訓練のされていない一般人であろうとも。たとえ多少、自分に酒が回っていたとしても。
相手は二人。三人だと思ったので少し胸をなで下ろす。自分よりも大柄な男が一人。そして封鎖されている金網を押し開き、小柄な男が姿を見せる。小柄な方は鉄パイプを掴んでいた。遠目からでも手に力が入っているのがわかる。挟み撃ちに合い、思わず舌打ちをする。
(ハードボイルトセレナーデ より)