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野ばら

  • う-08 (小説|純文学)
  • のばら
  • 小紫蘭
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 60ページ
  • 700円
  • 2020/11/01(日)発行
  • まなこに映った絵画、とらわれた感情を「手を加えずに」言葉にしました。
    追求する「純粋芸術」はここに。
    シンプルな詩はモーツァルト「きらきら星」のよう。
    わかりやすく、簡単で、誰でも楽しめる作品集。
    かわいくて笑っちゃうのや、悲しくて目が潤むものも。
    小説家である前に詩人でありたい。念願の初詩集。
    無理矢理書かない。自然と生まれたのが私の詩。そういう意味で「野ばら」。
    本を開くとまずは自信作「魅惑の花園」がお出迎えします。
    ぜひお手に取ってご覧ください。

    2篇ご紹介します。

    「歓迎」
    生まれて三ヶ月の小さな子犬よ
    小さい心臓をとくとくと早く鳴らして、
    生命の喜びは弾けんばかり
    お前には全てが新しく、見るもの聞くもの嗅ぐもの全てに興奮する
    あっちこっちで粗相をして、僕のTシャツを食いちぎっても、
    全然罪がない顔をしていやがる
    でもその何も知らない目は、畜生、とってもきれいで、
    僕はいつも許してしまうのさ
    新しい僕の相棒、僕の家にようこそ
    親兄弟と離れ離れになった分、
    僕がたくさん遊んでやるからね


    「デートへ向かう姉さん」(文藝思潮現代詩賞2次通過作品)
    ちょうど夕空のオレンジ色がコバルトブルーに塗り替えられていく頃
    デートに向かう姉さんは忙しなくめかしこんでいる
    シャワーを浴びた湯気立つ体にはローションをたっぷりと浸み込ませ
    ぬかりなくコロンを耳裏と谷間にしのばせる
    巻き毛にした髪にはローズの香のオイルを
    丁寧な歯の手入れも忘れない
    黒のレースのドレスを纏うと次はお化粧だ
    おしろいをはたいた肌は生花の花びらのようで
    男の指を誘っている
    唇は淡いコーラルピンクに濡れている
    まことにきれいな姉さんだ
    仕上げに真珠で首元を飾ると
    ショールを肩にかけ ヒールを鳴らして出て行った
    僕は当ててやる
    ドレスの下にはあの大事な赤の下着をつけて行ったに違いない
    そうさ、姉さん 恋は楽しまないと
    お楽しみは多いだろう
    おいしいフレンチ
    その後はカフェか、バーか、それとも楽園か
    今夜はまことにきれいな姉さん
    行ってらっしゃいよ
    今宵は甘い夢を 存分に






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