人魚姫のエピローグを題材にした、三名の作者による短編集。
「二度目のエンドロールにあなたはいない」藤崎珠里
どうか、普通の、恋をしてみたい。好きな人を好きでいることを幸せに思いたい。
自分の恋心を「気持ち悪い」と思ってしまう少女は、そう、魔女に願う。
その制約は「好きな人と両思いにならなければ泡となって消える」ものだった。
「海のうたを聴きに」藍浦こはる
人間に恋をした人魚姫メロウには、声がない。だから、メロウを想う妹のシュアは、その声を差し出した。
姉の、しあわせのために。
そして人間の足を手に入れたメロウは、地上へと降り立った。
しあわせに、なるために。
「海の乙女は涙を知らない」さちはら一紗
海辺にひっそりと隠れ住む魔女、レーラのもとを、ある日詩人の少女ノエが訪れる。
海の底へ行きたいのだと言う少女に、魔女は対価を求める。
その対価は──愛の物語。
魔女と詩人の少女は茶会の日々を繰り返し、そして。
とある人魚姫にまつわる物語の真実に、辿り着く。