雨と風が弱まるたび、その僅かな合間にアブラゼミの声がする。
「台風が過ぎたら秋なのに」
「諦めてないんだろ」
「何を?」
「俺が諦めかけてるもの」
彼女が首を傾げる。
あれはオスがメスを呼ぶ声だ。まだ恋をしたくて鳴いているのだ。
「頑張ってみたら?」
「君が応えてくれるなら」
* * * * * *
こちらのブースもいかがですか? (β)
暁を往く鳥 モラトリアムシェルタ 文フリ金沢有志スタッフの会 エウロパの海 (株)ごうがふかいなホールディングス 繰り溜まり つむじ風のとおり道 ドジョウ街道宿場町 クルミド出版 バイロン本社