サンダルごしに伝わってくる白砂の押し返してくる感触が小気味よい。いつもより風が強い。毛布を胸の前であわせる。砂浜に白い貝殻がひとつ転がっていた。先端の長い細い巻貝の貝殻。立ちどまる。拾おうかどうしようか迷って、拾わないことにする。でも、と呟く。明日の朝、またここへ来て、同じ場所に転がったままでいたら、コレクションに加えるべく持って帰ろう。口もとをほころばせる。
──「潮風の家」より
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