※この冊子は、WEBマガジン「ホテル暴風雨」にて2026年4月25日より連載(毎週土曜日朝更新)を開始した「善財くんがゆく!」の冒頭部分(第1話〜第4話)を試し読み用にまとめたものです。
<無料配布します>
自分を成長させるためにはどうしたらよいのか――その問いを胸に、ひとりの少年が旅に出ました。遠い昔の物語ですが、私たち自身の人生にも、どこか通じるものがあるように思います。
少年は、五十三人の善知識(ぜんちしき)――善き師たちを訪ね歩きながら、少しずつ成長していきます。
この少年の旅は、仏教の大経典『華厳経(けごんきょう)』の「入法界品(にゅうほっかいぼん)」に説かれる物語です。それをできるだけ読みやすい形で再構築する試みとして、本作を書き始めました。
舞台は二千年以上昔のインド。
この物語の主人公は、善財(ぜんざい)という一人の少年です。
彼は文殊菩薩の勧めによって旅に出て、五十三人の師を訪ね歩きながら教えを学び、やがて悟りへと近づいていきます。
つまりこれは――仏教経典でありながら、同時に「修行の旅の物語」でもあります。
登場する師匠たちは実に多彩です。
菩薩や聖者だけではなく、王、商人、医者、船乗り、遊女、さらには神々まで――善財はさまざまな人物に出会い、そのたびに教えを受け取っていきます。
なお本文では、主人公を親しみを込めて「善財くん」と呼ぶことにしました。
古典の登場人物ではありますが、読者のみなさんにも身近な存在として感じてもらえれば嬉しく思います。