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【新刊】140字SS集『オノマトペイン 6月版』(仮)

  • C-26 (小説|短編・掌編・ショートショート)
  • おのまとぺいん
  • 玄川透
  • 書籍|A5
  • 26ページ
  • 800円
  • 2024/6/16(日)発行
  • オノマトペ五十語、アルファベット二十六音、節気二十四気に題を取った140字の散文を百個収録。2018年・2019年発行コピー本『あめつちのうた』『ほしのかたり』と2023-24年の未収録分『かよみのふみ』をもとに再構成。リゾグラフ2色刷り。

    本文サンプル


    「あめつちのうた」

    鶴はこんなふうに鳴くのだと綴った作家みたいに、自分の引き出しひとつで事足りるようになりたい。しまいこんだ秘密をひとつひとつ取り出しては鬱蒼と光るさまを眺めつ眺めつして日が暮れるまで過ごせるならどんなにいいか。曰くその秘密を教養と呼ぶらしい。鶴も知らぬ賢しき箱庭。
    (れいれい)

    「ほしのかたり」
    慟哭を埋めたところからでも何かは芽吹くでしょうか。百年も待てはしない。情は不変でも私は普遍ではないから、きっとあなたを忘れてしまう。それに芽吹いたところで決してあなたそのものではないのに、無理にでも俤を見出してしまう。ここで終わっていたいのだ。あなたの遺した道さえなければ。
    (然らばD)dawn:埋葬、夜明け。 dust:塵。水蒸気。

    「かよみのふみ」
    俯いて足下を眺める背中に蹴りをつけるつもりでその音を吐く。足裏ぜんぶ押し付けるような音を。いやます黒さも拙さもそういう時節だからであってお前がお前だからではないと、こじつけでも納得してくれ。短くなるばかりでもまだ長い光の地獄、お前なしでは渡れっこないのだ影よ。物言わぬ私よ。
    (夏至)


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