雨と風が弱まるたび、その僅かな合間にアブラゼミの声がする。
「台風が過ぎたら秋なのに」
「諦めてないんだろ」
「何を?」
「俺が諦めかけてるもの」
彼女が首を傾げる。
あれはオスがメスを呼ぶ声だ。まだ恋をしたくて鳴いているのだ。
「頑張ってみたら?」
「君が応えてくれるなら」
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