女として生きていく将来に希望も期待も持てない奏(かなで)にとって、流(ながる)は異性と愛し合わずとも生きていけるただひとりの生き物だった。
《じゃあずっと、おまえも、ひとりで生きていくの。ひとりで生きていってくれないか。そうやって青い柳のように、澱みを知らない水面のように。ひとり冴え冴えと光るおまえのありさまだけをうつくしいと思うのに。》
だが時が経つにつれ、流はただの女として当然の人生を選び始める。
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