こちらのアイテムは2025/10/5(日)開催・文学フリマ福岡11にて入手できます。
くわしくは文学フリマ福岡11公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

はじめて香港ひとり旅

  • K-34 (ノンフィクション|旅行記)
  • はじめてほんこんひとりたび
  • タテ
  • 書籍|B6
  • 44ページ
  • 500円
  • 2025/10/5(日)発行
  • 週末を利用して観光した香港での二泊三日。
    泊まったユースホステル、食事、思いがけない交流、それから実際に見て感じたことなど。
    香港の街なか休憩スポットも紹介してます。


    (以下、本文より一部抜粋)

    豆花の店はいかにもローカルな雰囲気で、店先でテイクアウトも出来るようだった。雨の影響なのか人が少なく、席も空いていたので店内で食べる事にした。私はここで香港の相席文化を初体験することになる。豆花をれんげですくって食べていると、客が入り始めて若干混んできた。その内やってきた女の子が私と対面する形で目の前の席に座った。ごく自然な動作だった。「小さなテーブルで他人と向かい合いながら食事をする」スタイルに戸惑いを隠せず、これが香港……! と衝撃を受ける。彼女はヘッドホンで音楽を聴きながら何ひとつ気にしていない様子で食べ始めた。最初こそ何だか気まずかったが、「こういうものだ」と捉えたらその内あまり気にならなくなった。

    夜も雨は降り続けていたが、さすが観光地とあってメインストリート周辺は賑わっており、やたら人が多かった。宿近くには麻雀店もあった。建物自体は窓がなく中も見えず、壁に書いてある中国語も読めないので、何だこれは……と気になって入ろうとすると、入口には「未成年お断り」の文字。麻雀牌のイラスト。なるほど麻雀の店だ! もう見たまんまである。賭け事をやらない人間なので大人しく歩道へと戻る。麻雀店に関しては翌日、違う道を歩いているときにも見つけることになる(そちらは入口にボーイが立っていて高級そうな雰囲気だった)。

    (中略)

    てくてく歩いて向かったのは、特に観光者向けということもなく、歩いてすぐに一周出来てしまうような小さな公園だった。地図で確認したら「文明里休憩所」という名前が付いていた。近所の人だろうか、おじさんおばさん達がお喋りしている。私も空いているベンチに座って、買ったポカリを手にしながらひたすらボンヤリしていた。日本の近所にあるような至って普通の公園だが、緑や花が植えられて手入れがされている。朝からベンチで談笑する人、散歩する人、ときどき清掃員の恰好をした人がやって来て、公園の蛇口を使って作業したりしていた。

    気付くと足下には鳩がいた。スズメが鳴きかわしながら空を飛んでいたりして、香港にも鳥がいるんだなぁ……と当たり前のことを思った。ひとつブロックを抜ければ人混みに圧倒されるメインストリートがあるのだが、ここではのんびりとした空気が流れていて、忙しない観光地から切り離されたのどかな雰囲気を感じた。

    なんとなく香港の日常を垣間見れた気がして、これはこれで思い出のひとつになった。

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