お目当ての中華料理店に辿り着くと、すでに人が店外まで並んでいた。
夜は始まったばかりだというのに。どれぐらい待つのかな~とソワソワしながら並んでいると、店員のひとりが外へと出てきた。待っている人たちに何かを訊ねている。
やがて私のところにもやって来た。言葉は分からなかったが、もしかして人数を訊かれてるのでは?とピンと来たので、人差し指を立てて『一人』を示してみる。すると手招きされて店内へ案内された。
中は人がひしめきあっていて、とにかく賑やかだった。壁に沿うかたちで置かれた長机も、中央のテーブル席も満席。案内された席に座ると、すぐに店員のおじさんがメモを片手にやって来た。卓上の小さなメニュー表を指して、何にする?と訊かれているのはなんとなく分かるが、書いてあるのは中国語だ。読めない。
戸惑っている私を察したのか、おじさんはメニューをひっくり返した。
に、日本語がある……!
しかし、じっくり読んでいる暇はない。
注文を書きつける姿勢のまま静止しているおじさんの圧に(勝手に)負けた私は、とっさに目に飛び込んできた単語、餃子とサンラータンを注文した。
そしておじさんが去ってから、私が頼んだのはサンラータンではなくサンラーメンだったことに気が付いた。両者とも似ている。似ているが、絶妙に違う!