主人公、水書言葉は紙島という小さな島の神職の家系の出身だが、幼少期母を亡くしたことをきっかけにして神の存在を否定するようになった。大学進学を契機に島から出て一人暮らしをしていたが、父親から強引な帰郷の要請に従って島に帰郷することになる。コトハにとって父親は母の死の間際まで神事のために奔走していたため嫌悪の対象になっており、妹のアザカはコトハと比べて器量もよく劣等感を感じていた。コトハにとって家族とは他人に近い存在だった。
コトハが帰郷することになったのは島の神事である奉紙祭のためだった。今回の神事は百年に一度島の主神であるツヅリが降臨するものとされていた。コトハはツヅリの降臨を信じていなかったが、紙染めの儀で実際にツヅリが降臨する姿を目の前で見てしまう。この儀式でコトハは奉紙縁起という島の信仰の中核を担う文書の編纂者としてツヅリに選ばれてしまう。
神と神を否定する青年が織りなすひと夏の物語。
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