短歌、俳句、小説集。宗教モチーフや哲学モチーフの敬虔ざりし短歌や俳句を中心に、その他きれぎれの耽美っぽい作風の本になっています。68頁。
今回は挿絵をかとうさまに描いていただきました、とても美しいので是非お手に取ってみてください。
【ガリラヤの春】
積載の希望を海へ押し流す荒野のねむり蝶は濡れたり
冬朝に卵しづかに茹でさしむスティグマータの美しかりき
【シャンデリアの降る国の正午】
友達を殺してまでも欲しくある景色を見せたい友達がをり
おれだけの医者になつてと泣き哂ふてゑぶるの枇杷くろく熟れゆき
夏茱萸を咥ふイエスの咽喉しろき
苗売りが手渡してくるひとのゆび
【薔薇窓】
小説。
『寺院シャルトルの薔薇窓をみて死にたきはこころ虔しきためにはあらず』という葛原妙子の短歌を自分なりに解凍して書いてみたものです。
――「圧倒的なものの到来を、私は待っている。」
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