あたしの人生を、普通の女の子じゃない人生にした人間、言い換えれば、あたしの人生をメチャクチャにしたクズは、三人いる。
一人は、篠崎加寿将。あたしの父親。こいつの話は、ちょっと時間が欲しい。十歳までこいつはあたしの側にいた。こいつの話は、ちょっとキツ過ぎて、すぐには話せない。思い出せそうにないこともいっぱいあるし。
一人は、高木俊介。高校時代の恋人、親友にして、琴美の父親。まぁ、さっきちょっと話したけど、あの通りのだらしのないクズ。でも、卒業して別れる前のあいつのクズっぷりも、しっかり話そうと思う。そのために、あたしは明子――畑中明子――の話もしなければいけない。
一人は、倉持礼司。これから話すけど、偶々電車で遭っただけの、痴漢。でも、タダの痴漢じゃないよ。気ぃ狂った、肉欲のバケモノ。……(中略)……
うん、とにかくね、聴いてくれたら嬉しい。最悪あたしがスッキリするだけでいい。何を伝えられるのかあたしにはまだ分からないけど、完成した絵にとやかくいうのは後でいくらでも出来ると思って、あたしは、全部、許す限り話したいと思う。二十三年分溜まりきった、あたしの淀み、トラウマを、全部。……
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