夢の中でしか起きていられない
- 南3-4ホール | く-87 (小説|SF)
- ゆめのなかでしかおきていられない
- 波枕
- 書籍|文庫判(A6)
- 32ページ
- 100円
- 2026/11/8(日)発行
夢の中でしか起きていられない
エッセイ?/100円/文庫サイズこれまでに書いてきた文章についての自己解題。
どうして俺を呼んだの。どうしてあんなにあたたかく撫でたの。遣る瀬無い、惨めだ、それでもすがり続ける自分が。楽しい世界なんだろう、そんなに望んでくれるんだもの。こんな泥まみれの世界なんて知らなかった。
人は好き、自分は嫌い、存在も生命も。
なぜ私はこの言葉を選んで記したのか、取り留めなく見つめなおす本です。
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痛いよ。億劫だ。始めたくなんかなかった。歩きたくなかった。母さん。俺さ、あんたを笑わせたかっただけだったんだよ。ほんの軽い気持ちで。
(小説「未練」より)
● 出生への抵抗
私の作品のほとんどは家族への愛(とも呼べない責任転嫁)に囚われた主人公が、間違いとしか思えない、自分自身の出生に対してごちゃごちゃ答えの出ない問いを繰り返して、効率の悪い生き方をして、必要以上に傷ついて転げ回っている内容です。自分が生まれてきて、これから生きていくということを、受け止めて歩いていかなければならないのに、いつまで経っても駄々をこねて、ある日は泣きながら這いずって、ある日はたくさん眠ったり、ある日は元気にスキップなんかして、道草を食いながらも前に進んでいく。
そんなに進みたくないのなら命を投げ捨ててしまえばいいんだけれど、大切に育ててくれた人たちの悲しみを思うと、それさえもできない。命を捨てられないのならまともに生きようと努力するべきなのに、それもまたできない。わざわざ暗がりを歩いている。陽光を後ろめたく思うのに、時々人に触れたくなる。
中途半端でありふれたジャンク品として、存在への腹いせに、引用のような文句を書きがちですね。
彼はこれを母に伝えることはないでしょうし、もちろん母を恨んでいるわけではない。
自分の生命に意味がないなんてことは知っている。
始まったことをいくら憎んでも、終わらせられもしない。
今日の一歩分を進むために、死を杖にして、なんとか絞り出した負け惜しみということです。
