〈母〉と〈内臓〉、時々亡霊 「わたし」の体を取り戻すための試論
- 南3-4ホール | す-48 (ノンフィクション|エッセイ・随筆・体験記)
- ははとないぞう、ときどきぼうれい わたしのからだをとりもどすためのしろん
- ライ麦畑の相談員
- 書籍|A5
- 108ページ
- 1,000円
- 2026/11/8(日)発行
- 大学時代、血の混じった唾を吐いたことをきっかけとして、謎の内臓感覚(「ご近所さん」)に襲われ続けることとなったわたし(筆者)は、十数年の時を経て「ご近所さん」の言葉なき訴えに向き合うことを決意する。
しばしば「体」が反乱を起こすという「落ち着けない」状況は、なぜわたしの身に降りかかってきたのか。
脳神経科学や自分の体と日々向き合っているアスリートの言語感覚などをヒントに自分自身(の体)を解体する第一章と、家族、特に「母」と「わたし」、「祖母」と「母」のあいだの世代間にわたる「不幸」(「例外」の相続)を問題とする第二章。
一見何の関係もなさそうに見える両者は「解離」と呼ばれる概念を蝶番にしてメタフォリカルにつながっていく。
SNSが駆動する「解離」的な傾向から19世紀アメリカのとある作家のまなざしまでを取り扱う本書は、エッセイとも評論とも、あるいは当事者研究ともつかない鵺のような内容に仕上がった。
物好きな方がいればぜひお立ち寄りいただきたい。
